やっと見てまいりました、映画版オペラ座の怪人!リピーターの友人に誘われてついていったのですが、うーん、何というか・・・まあ予想通り、傑作というほどのことはないがそこそこに素晴らしい作品という感じ。ネットなんか回ってると、割と高評価が目立ってるみたいですけど、どうも私にとって「オペラ座の怪人」というのは特別な作品で、昔から格別に心に残っている物語なだけに、辛く評価してしまいがちなようです。
昔N○Kで一夜だけ放送したドラマ版があったのだけど、私の中ではそれが最も素晴らしいオペラ座の怪人なわけなのです。もちろん幼い頃に見たということも原因なのでしょうけど、私は怪人の身の上話の悲惨っぷりだとか、クリスティーヌへの悲恋っぷりに、わんわん泣いては親にうっとうしがられたものでした。今思い出してもその物語の筋立てだとか演出だとかは、映画に比しても全然遜色無いだろう、と思ってるくらい。うーん、何というのかなあ。情緒があったというか・・。ドラマ版では怪人は結局仮面をとることは無いのですが、死ぬ間際(この作品ではラウルとの決闘の末、オペラ座かどっかの屋根の上で死んでしまうのだ)クリスティーヌだけが彼の仮面を取り去り、その醜い素顔を見てしまいます。一瞬驚く彼女、しかし次の瞬間、彼女は躊躇わずに彼に口付けるのです・・。仮面の下の顔は視聴者には分からないだけに、私はその醜さを想像して身震いし、また哀しく思ったものでした。
しかし現代の特殊メイク技術はそれを許さないのかもしれない。見せないという演出。だって作れちゃうんだもんね~。そういう全部見せちゃいましたー、ってとこが私にはちょっとしっくりこなかったのかもしれないなー。ファントムの絶望、哀愁、孤独・・それが伝わってこなかったことも残念。これって私の感受性の乏しさのせいなのかしら、と悩んじゃったりします。
正直切ないシーンよりも、オペラ座の舞台裏の生き生きとした動きとか、仮面舞踏会などの華々しさに目が釘付けでした。特に最初のシャンデリアが持ち上がる瞬間からオペラ座が一気に蘇るシーンはほんっとにほんとに鳥肌もの。あの音楽に合わせて様々な人々が入り乱れ、活気に溢れる舞台を形作っていく様は、生々しくも人間臭さに溢れ、ファントムの存在とは好対照。いつまでも見ていたい気持ちにさせてくれました。脇役も良い味だしてて、特にミニー・ドライヴァーがステキ。彼女が出てくると一瞬にして舞台が華やぎ、また彼女の演技で空気が引き締まる感じがして、良いキャスティングだわぁ、と思わず感心。
主役の三人のとこは正直少し眠かった・・。みんな天然さんっぽいからシリアスなシーンでもほんわかしてるのよ、ペースが。ラウルは出てくるたびにおかしい。何か笑っちゃう。どうもあの髪型が原因らしい。どうしてあの男前捕まえてあそこまで変なかっこにできるんだ、とヘアメイク担当の方に聞いてみたい。でも最後は何だか可愛くなっちゃうから不思議です。この役立たず!と罵りたくなるわ。
まあ色々突っ込みどころは多いけど、一々挙げてたら切り無いから言わないけど(面倒臭いだけ)。それにしてもファントムの最後、お猿がシンバルをちーん、ちーんと打ってるのを見ながらえへへ・・と笑ってるところ、不覚にも笑ってしまいました。あ、もちろんこっそりと。あとで隣で見てた友達が泣いてるのを見て罪悪感を覚えました。ごめん・・・・あたしの笑いのツボは変なところにあるんだ・・・(とはいえ友達もラウルがファントムに首絞められてるシーンには笑っちゃうらしい)。
もうね、あれ。ファントムはラウルとくっつけばいいと思うよ。ラウルだったら絶対裏切らないと思うのは気のせいでしょうか。クリスティーヌがいたとしても、ファントムを見捨てることはできない!とかいってついていっちゃいそうだわ、あの子。茨カップリングと思いきや、実は海外には少なからず怪人×ラウルな風潮があるらしい。これは新たなslashジャンルの確立が期待される模様。国内のサーチエンジンにもいつの間にかPOTO(the phantom of the operaの略語らしい)を扱っているサイトが増えてて、びっくりである。ちなみに私が大好きで日参してるtamakomemoさん(ttp://tamapple.hp.infoseek.co.jp/)でもラウルと怪人が熱い!日記が最高です。我慢できずに勝手にリンクしてしまいました、すいません。たまこ様。
総括:やっぱりAndrew Lloyd Webberは天才やわぁ、と再認識できて良かったです。
あーちなみに今回も戸田のなっちゃんの迷訳は本領発揮。情熱のプレイて(笑)