えーと、最近中世ものの映画を立て続けに見て、どれもすごくアホっぽかったので、とりあえず一本レビューしたいと思います。

なんというか、そのアホっぽさっていうのは、腹の立つアホっぽさじゃなくて、愛すべきアホっぽさなんですね。どういったらいいのかな・・・。あー、アカデミー賞から遠く、ラジー賞に大分近い感じです。ラジー賞作品を笑いながら見られるような物好きな方なら楽しめるちょっとお馬鹿な作品ということ（笑）。

今回の餌食レビュー作品は「タイムライン」

これ、最初は借りる気が全く無くてビデオ屋さんでもスルーしてたんですが、以前「スターシップ・トゥルーパーズ」を薦めてくれたＢ級映画仲間の推薦だったので見てみました。

うーん、予想外に面白かった。正直もう、ほんっとに期待してなかったので。いや、違うな。萌え期待のみだったんだなｗ

普通に良かったですよ、映画として。タイムマシンものなんですが、まあ有体に言えばストーリーは糞、あ、ごめん、うんこ、です。うんこストーリー。タイムトラベル作品のお約束をほぼ踏襲してます。というかこの映画の99％がお約束でできています。多分大半の人が前半でラストのオチまで予想しちゃえると思うんです。ひねりもどんでん返しも無い、スタートからラストまで何の障害物も無く、まーーっすぐ見通せる話になってます。

なんといっても、タイムトラベルの癖に歴史改変なんてみみっちいことに拘らないところがすごい！
もうタイムパラドックスだのタイムマシン技術だのにいちいち考え込んでしまう自分が小さく見えるもんね！

出演陣ですが、一応主役のポール・ウォーカー、多分本当の主役ジェラード・バトラー。ビリー・コノリーにデヴィット・シューリス、ニール・マクドノー、そしてマイケル・シーン！ちょっと気になる人々が出てて、結構楽しい。ジェラード・バトラーは最近「オペラ座の怪人」でいきなり知名度アップですが、この作品の頃はまだ地味めです。私にとってジェラードは「サラマンダー」でクリスチャン・ベイルの女房役だったことが強烈に印象に残っていて、脇役にしては役がおいしすぎたのが気になった役者さんです。その後サラマンダーのslashを必死で探した過去も今ではいい思い出・・・。はっきり言って、今回もサラマンダーの時と全く同じ格好。髭面がかわゆいｖあの瞳の優しげな感じはジム・カヴィーゼルに通じるものがあると思うなー。あ、彼俳優になる前は弁護士7年間やってたそうです。なんか納得。

ストーリーに戻って。
最初は2003年の考古学の発掘現場が舞台。アイロンをかけるポールが可愛いです。いきなり恋していきなり振られる。で、600年前の歴史的な遺跡を発見したら、なぜか父親からのＳＯＳが記された羊皮紙が出土。意味不明すぎる状況の中、父親失踪の原因と思われるＩＴＣという企業に行ったら口手八丁のデヴィット・シューリス演じる胡散臭い社長に言いくるめられてあっさりタイムマシンに乗ってしまう。って乗るのかよ！！びっくりですが、そうしないと話が先に進まない。ここで一人不安に感じたメンバーが留守番することに。賢い選択です。この眼鏡君、結構整った顔してて演技も面白い。名前はイーサン・エンブリー（リンクはIMDBより）。彼の出演作、私あんまり知らないんですが、エンパイアレコードとかは割りと有名らしいですねー、あとメラニーは行くも・・・っておおおおおお！！？？「ゴッドアーミー」だとおおおお！！！？？？？あれ？よく見たら２か。あーでも一瞬びっくりしたー。あの伝説の天使映画にこの子まで出てたら正直何らかの発作を起こすところでした。個人的には、彼はアラン・テュディックばりの眼鏡の似合うお調子者だけどいい奴、タイプの役が似合うと思います。

で、タイムマシンで送られたところは中世、百年戦争まっさかりのフランス。この頃違う所ではジャンヌ・ダルクが活躍してるんですね。イギリスＶＳフランス、ということでイギリスが悪者っぽく描かれています。この悪の親玉が我らがマイケル・シーン演じるオリヴァー様。もう、悪者も悪者、なんとも憎憎しげに演じてますが、どこかルシアン（アンダーワールドのかわいそうな狼さん）とかぶって憎み切れない。あのうるうるな瞳が悪い！襲ってくれと言わんばかりの・・・・っ！(*´д｀*)ﾊｧﾊｧ
もうちょっとオリヴァーの出番が多くて、更にマレク（ジェラード・バトラー）あたりとの絡みが多ければ言うことなしだったんだけどなぁ。可愛い顔して鬼畜な領主様なんちゅー美味しいキャラが生かしきれてなかったのが惜しい！正直言うと、「ジャンヌ・ダルク（リュック・ベッソンのやつ）」でヴァンサン・カッセル演じるジル・ド・レとかぶりすぎなのが気になる。髪型、髭、武器、全てが似てる。うーん、わざとかな？もしやジル・ド・レの陰惨な部分を描いてるのか？考えすぎだとは思うけど・・・。

まあ私の見るところ、オリヴァーはイギリス軍のアイドルだからそれでいいじゃないか（何が）

で、あれ？あと書くべきところあったかな・・・。
えーと、当然なのですけど、フランス人がフランス語使ってて良かったです。字幕とかでも訳されてなくていい感じ。戦争部分は本当に面白くてかなり引き込まれます。ラストの闇夜の中、火矢の攻撃が美しく荘厳。満月との対比も見事。変に時代考証に凝って地味になりすぎないバランスは絶妙でした。

フランス人のボス、アルノー卿はどっかで見た顔だわー、と思ってたら。マトリックス二部・三部において、そのいやらしさで抜群の存在感をアピールしてたメロビンジアンことランベール・ウィルソン。今回は変な髪形ではあったものの、やっぱり素敵なおフランス。この人の出演作もチェックしなければならないですね。

あとはストーリーがうん（ｒｙなので、突っ込む方が馬鹿みたいな気分です。せっかくフランス語通訳のために仲間連れて行ったのに、どうやらフランス人は英語が話せるらしいとか。フランソワは何だったんだよ（泣）

ご都合主義といえば恋愛話が一番いらない。ほんっっっっとに毎回思うんだけど、ＳＦだろうがアクションだろうが、映画って絶対に男女のロマンスを挟まないと気がすまないみたいだね。あのねー、はっきり言ってそんなちんけなロマンスがどんだけ需要ある？そんな要素省いてその分を本筋のストーリーに当てた方がよっぽど面白い作品になるでしょ？ったく馬鹿の一つ覚えみたいにキスだの愛の告白だの・・・もういい加減にしろ！ヽ(`Д´)ﾉﾌﾟﾝﾌﾟﾝ!脚本もロマンスに頼りすぎ。タイムラインなんてお約束99％のうち恋愛要素85％くらいで構成されているといっても過言じゃありません。あ、別に自分が恋愛してないからひがんでるとかそういうことじゃないからね！違うから！違いますったらー(ﾉToT)ﾉ┫:･'.::･┻┻:･'.::･

真面目な話、ロマンス無しでは話が作れる才能が少ないのかもしれないね。残念なことだけど。
あ、もちろんそれがテーマ上重要なことなら必要だと思います。

人の生き死にがちょっと軽すぎなのもいかがかと。最初は人を殺したことに深い罪悪感を覚えるメンバーなんですけど、ラスト、もうそんな感傷どうでもいい感じになってます（笑）。そこらへんを深く掘り下げてくれると良かったかもしれません。っつってもあまりに色んな話詰め込みすぎるといっぱいいっぱいになっちゃうんでしょうがないかな。本当にタイムトラベルものを楽しみたい方は是非マイケル・クライトンの原作「タイムライン〈上〉〈下〉」を読んでみてください。

しかしナンでしょうねー。こんだけ王道ストーリーで予算も潤沢で、スタッフも最高で、なのにB級の香りがするのは逆にすごいことかと。みんながことあるごとにオーマイゴーを連発するからなのか。

あ！忘れてたけど、影の薄い夫代表ケレボルン様、マートン・ソーカス氏も出演中！割と目立ってた！！（失礼）