やっと見ることができました。ポール王子の代表作、ギャングスター・ナンバー1。ポールは若きギャングスター(starではなくsterの方です)、デヴィット・シューリスはギャングスターが憧れる暗黒街のボス、フレディ。最初はフレディの右腕として活躍するギャングスターですが、フレディが一人の女性に入れ込み始めたのをきっかけに、ナンバー1に対する野望がむくむくと湧き上がってくるのでした…。
というお話なんですが、色眼鏡を掛けると、ギャングスターはフレディにぞっこんで、相手の女、カレンに嫉妬しているように見えます。カレンとの会話は常に刺々しい。それもそのはず、カレンのせいでフレディとギャングスターの蜜月時代は終わりを告げ、彼女に対する辛辣な態度のせいで逆に疎まれるようにすらなっていたのです。フレディのカレンに対する憎しみは半端なく、結婚すると聞いた瞬間から怒りMAX。ついにボスを裏切ることに。
しかし自らナンバー1になり、成功した後も、ギャングスターが本当に幸せになることはありませんでした。常に孤独と猜疑心に苛まれ、自分という存在すら分からぬままの人生。私は、ギャングスターが本当に目指していたものはナンバー1の地位では無く、フレディに成り代わることだったんじゃないかな、と思います。常にシャドウのようにフレディに付き添っていたギャングスター。彼こそ本物の男、憧れの存在、と思う気持ちが高じ、彼という存在を理想化しすぎた。そしてフレディが一人の女に入れ込み、ギャングとしての威厳が薄れ始めたとき、ギャングスターは失望してしまったのかなあ、と。そして自らが彼に成り代わることでフレディという男の幻想を自らの中に抱き続けたかったのかもしれません。しかし影は一生影でしかないんですよね。
なんつって、自分で書いてても恥ずかしくなる小賢しい考察でございます。まあ、腐女子の夢想ですな。レニーの部下をぼっこぼこにやっつけてフレディに怒られた時も野望の一端は見え隠れしてたので、カレンのことは本当に単なるきっかけに過ぎなかったのかもしれませんね。むちゃくちゃ大っきなきっかけだけど。
それにしてもポールはかっこよかったなぁ。スーツがびしっと決まってて。さすがイギリス、紳士の国。ギャングですら気品が漂います。もうあの着替えるシーン一つ一つが素敵。カフスとかネクタイとか、ぱりっとしたシャツにポールの長い足の栄えるパンツ。いや、あの白シャツ、白パンの血まみれポールも良いけどね。
もう、自分で王子とか言っても許せるくらい王子ルックスなんですよね〜。白い肌、色素の薄い青い瞳、さらさら金髪。うーん、ミーハーな管理人はそれだけでノックダウンなんですよ。そんな目で「俺の目を見ろ」なんて言われりゃ見るっつーの。まあ逆にそんな整った人形みたいな顔で言われると怖いんでしょうが。確かに俺の目を見ろ、っていうのは怖いね。何されるかと思うよね。ギャングスターの目って人を脅す力、引き込む力があるんだけど、「自分」が無い気がします。瞳には相手の存在しか写りませんし。監督も実はそういうとこを意識して撮ったのかな、と思ったり。ポールの硝子玉みたいな瞳もそういう表現には適してたのかも!?
55才のギャングスター、マルコム・マクダウェルもいい味出してましたね〜。完全にデヴィット・シューリス食ってたもんな。まあデヴィットは元々迫力に欠けるきらいがありますから、紳士の部分は出てたけど、暗黒街を仕切ってるギャングには見えなかったな(^_^;)。やっぱり「太陽と月に背いて」のおっさん詩人の役が一番似合うのかも(あくまで褒め言葉です)。関係無いけどシューリスって唇がめちゃセクシーやね。車の中でギャングスターがフレディの顔をじっと見るシーンはかーなーりエロ!どエロですね。わはは。
ストーリー的には、最後の辺りがいらなかったかな、と思います。どうも現在のギャングスターのシーンになっちゃうと、だれる、というか。若き日の思い出話が非常にスタイリッシュで爽快だったのに比べると、どうも勢いがない。まあ話の流れ上仕方ないことではあるのですが。ラストの展開が「いかにも」な話になっちゃって残念でした。デヴィットも出す必要あったか?私はギャングスターには最後までかっこ良く、ダークであってほしかったのですが、監督の描きたかったのはギャングスターの孤独と空虚だったんでしょう。しかしあそこまでポールをかっこよく撮っときながら、ちょっとひどいな〜、と思っちゃいました。これも腐女子視点だからなんでしょうか(^^ゞ
個人的にはレニー親分とマキシーがお気に入りですね。レニーは脅し口調だけどすっごいどもる(あれわざとかな)し、いきなり高い声だすし、訳分かんないポーズとるしで、良い感じに狂った役でした。ギャングスターにめたくそのぐっしゃぐしゃにされるシーンでも強気だったし、憎めないキャラです。あとその子分のマキシー。ギャングスターに「キャメルコート野郎」と言われてた子。むっちゃ可愛い、というかもろ管理人のツボを突く容姿をしてて、もう始終(*´д`*)ハァハァさせてもらいました。ギャングスターとの睨み合いも考えようによっちゃかなりエロい。ああ、視姦されてる、視姦されてるよー(黙れ)。多分一番最初に「俺の目を見ろ」攻撃を受けた人。最終的にひどい目に遭うけど、その時見事にお尻がべろーんと出ていたので、ギャングスターに犯されたようにしか見えない(嘘)
このマキシー役の役者さん、アンドリュー・リンカーンというお名前らしく、主にTVで活躍されてるみたいです。「ラブ・アクチュアリー」にも出演しているとのこと。ちなみにラブアクの中で三角関係になる二人(キーラ・ナイトレイ、キウェテル・イジョフォー)とはそれぞれ昔からの友達らしく撮影中も盛り上がっていたそうな(キーラはインタビューで、アンドリューとはすごく気が合う親友なので、子供のようにはしゃぎまくって楽しかった、と言ってました)
追記:
作品中、ポールは二度ほど人間外の顔をします。まじ怖いです。