やっと読み終わりました。実は上巻を読んだのが去年の夏。んで、そのままずーっと本棚の奥にしまっとったんです。
確かに上巻はすごく面白くて、怒涛のごとく事件が押し寄せ、あっという間に読んじまったんですが…。何となくあの分厚い本を見ると手が伸びなくて、今年に至っちまったわけなんです。あまりにも人気があった、っていうのも読みづらくなっちゃった原因なのかも。ベストセラー、っていうのが苦手なんです。特に理由はないんだけど。
しかも学校の図書館にリクエストして購入してもらったのに、予約がいっぱい入っちゃってて、一週間しか借りられなかったという苦い思い出も(結局古本屋で買った)
まあ、そんなわけで一年ほったらかしにしていた本書、やっと読むことができました。
やっぱり面白かった〜〜!読み始めたら止まらなくて、上巻同様あっちゅう間に読んでしまいました。
もともと宮部さんの文章って読みやすいから好きなんですが、「模倣犯」では更にストーリーの展開が目まぐるしく、起伏に富んでいて、全く飽きませんでした。
多分このストーリーの中で私はかなり色んな人に感情移入して、怒ったり悲しんだりしてたと思います。被害者、加害者その家族。それを取り巻くマスコミや一般の人々。とにかくたくさんの人たちが一つの事件を巡って色んな思いや感情を交錯させ、時にはぶつかり、時には助け合う姿には考えさせられるものがあります。
中にはキャラ的にむかつく人もいるし、読んでるこっちが腹立たしいようなことをやってのける奴もいます。でもそういういらいら感もちゃんと伏線になってて、後半はものすごいカタルシスを感じられるつくりになってます。
とにかく読んでると自分が物語りにのめりこんでいることに気づきます。う〜ん、やっぱ宮部さんはすごい!
おすすめの一品です。