メンフィス・ベル

戦争ものです。それだけでちょっと引いちゃう人がいるかもしれないけど、結構さわやかです。もちろん生と死という重たいテーマも内包してると思うけど、それより何より青春ものなんですよー、これ。私は戦争はどんな状況でも絶対やっちゃいけないことだと思っているので、いわゆるハリウッドが作る戦争ものって好きじゃなかったんですよ（とはいっても某井筒監督みたいに何でもかんでもプロパガンダだ！と非難するわけじゃないけど…）
これは確かジョシュ・ハートネットがどっかのインタビューで言ってたことなんだけど、「戦争を通して男になる、成長する」みたいな映画は嫌い、っていう、そんな感じ。

確かにこの映画も男達の成長物語ではあるのですが、作品全体から、戦争の愚かしさとか、若い命が散っていく悲しさがひしひしと伝わってくるのです。単なる英雄物語じゃない、戦争に対する空しさが描かれている。そして、生きることの素晴らしさがものすごく胸を打つ作品でした。

メンフィス・べルというのは飛行機につけられた名前で、第二次大戦中にドイツを攻撃するアメリカ空軍の戦闘機。10人の飛行機乗りがこの１機に乗り込んでます。で、今回が最後の出撃、これさえ終われば故郷に帰れるという状況…嫌な予感がガンガンします（汗）んで、10人は協力してドイツの軍事工場に爆弾を落としに行くのですが…どうなるのかはまあ見てのお楽しみです。私は最後、期待を裏切られなかった、とだけ言っておきましょうか(^_^)もー、飛行機での戦いがすごくリアルで、まるで自分もそこにいて戦っているように感じてしまいました。何かあるたびにどきどきはらはら、で、生きて地上に戻れるなら何でもします！マイゴッド！と叫びたくなるほどでした（汗）描写の仕方がBand of Brothersに似てる気がします。そういえば主人公赤毛だし…。でもBoBよりもっと青春チックです。

とりあえず、エリック・ストルツ目当てで見たんですが、もー、やばいぞ！彼はかわいすぎるんでないか？っていうかいつまで経っても年とらないような気がするのは私だけでしょうか…ドキドキ。10人の中でかなり浮いてました。いや、美しさでね。みんなに可愛がられてる感じだし、超優等生でまとめ役なところもツボ。ダニーっていう名前なんですが、仲間でめちゃくちゃ歌の上手いやつ（本物の歌手さんです）に「ダニーボーイ」の曲を捧げられてるし（笑）なんじゃ、こりゃー。新人の兵士にも優しくて、その後もんのすごい懐かれていました…新人君も可愛くて、あたしゃにやにや笑いが止まりませんでしたよ(*´д｀*)ﾊｧﾊｧ
10人はそれぞれ仲良い子がいて、何となくペアになっている感じ。
操縦士でキャプテンのデニスはこれまた可愛い乙女系（？）、でもあまりにもお堅すぎて、敬遠されがち。しかし彼の責任感の強さや冷静な判断力がこれまで皆を死地から生還させてきたんだと思います。すごく良い上司になりそう。そのバディ役、副操縦士のルークは根っから明るくて、女好きそうな典型的な軍人タイプ（私が典型と思っているだけです、すいません（汗））あんまり物事を深く考えていないおちゃらけ野郎だけど、根は良い奴です。デニスとは反りが合わず、副操縦士に甘んじているのに不満がありそうですが、実はこいつデニスのこと好きなんじゃねーの？と度々思わせてくれました。何ちゅーか素直になれない男なんですよ、彼は（勝手な妄想）デニスに反発しつつもいつも逆らえないあたりがヘタレ攻めの雰囲気がぷんぷん漂っていました。最終的にこいつら一緒に故郷に帰るんじゃなかろうか（汗）まあ、デニスが異常に鈍い感じの天然なんで、いつルークの気持ちに気付くんだろう、という不安もありますが（全部妄想です）
もう一組、私の好きなカプ、ではなくてペアは、フィルとヴァル。フィルは飛行機の現在位置を常に把握するお仕事で、すばやい計算能力とかが要求されるんで、私には絶対無理な役職です。で、ヴァルはビリー・ゼインが演じていて、それだけでもう私はヴァルにめろめろだったのですが、彼は医者の学校を卒業したという設定で、それがまたあとで色々とあるんですよ（笑）ちょっと神経が細いフィルと、冷静沈着な爆撃手ヴァルのコンビネーションがよろしい。フィル君はちょっと繊細というより、完全に神経を病んじゃってます。そりゃー、いつ死んでしまうかも分からない状況なんだから、普通の神経ならとっくにやられていると思うよ。彼が特別弱いということもないと思うけど、たまたま運悪く死神に取り憑かれてしまったのでしょう。でもヴァルは友人であるフィルの面倒を、時に叱咤激励しながらも懸命に励まします。ヴァル素敵〜ｖｖビリーｶｺｲｲ！！爆弾を落とすとき、目標が上手く見えなくて、ヴァルはなかなかスイッチを押せないのですが、早く帰りたいフィルは、勝手にスイッチを押そうとします。でも近くには学校などの民間施設がいっぱいあるので、目標がはっきりと定まらないまま落とすことはできません。そこでスイッチを押す、押さないの攻防戦が見もの。めっさどきどき。

あと、ショーン・アスティンが出ていたりしますが、彼は演技上手いよね〜。サムとは全然違うキャラを演じきってました。

第二次大戦中の戦闘機の構造がとても良く分かります。びっくりするようなところに砲撃主の座るところがあったりして。あとDVDの特典に解説があって面白いです。やっぱり戦闘機乗り、って優秀な人しかなれなかったみたいです。

地上で待つ人達の想い、空に飛び立つ若者達の思い。それぞれが胸に迫ってきて、特に遺族からの手紙のシーンにはホロリ。いつ死ぬともしれぬ日々がそう遠くない過去にあったかと思うと切ないです。自分はそんな現実には耐え切れないと思う。でも死ぬことを恐れるのは人として当然のこと、だから戦争はいけないんだー！と改めて思いました。ありきたりな言葉ですいません。でも戦争映画を見ると、いつもこんな言葉しか浮かんでこんのです(−_−;)

あ、ちなみに管理人的最大の萌えシーンは、ヴァルがダニーを介抱してるところｖもービリーがエリックの体を抱きかかえんばかりにして、なおかつ頭をずーーっ、と撫で撫でしているのです！管理人はずーーーーーーーっと(*´д｀*)ﾊｧﾊｧしていました、とさ。